キミの手 キミの体温
数え切れない程見た夢は必ずここで終わる。
気が付けばいつも、空っぽの部屋に独りぼっちで立ち尽くす俺が居た。
どんなに目を凝らしても誰も居ない。
どんなに叫んだって誰も答えてくれない。
そこには俺しか居ない。
昔はもっと、色んな大切なモノがあったはずなのに……。
いつも笑顔を浮かべた優しい母さんが居て、手を握ったり抱きしめたりしてくれた。
「母さん……母さん……」
どんなに焦がれて呼んだって、母さんは戻って来てくれることはない。