キミの手 キミの体温
重なる気持ち

「説明してもらいましょうか? この状況」


「舟瀬。おまえって切り替え早過ぎ」



向かって右側には納得いきませんって顔した水希。


左側には困ったような呆れたような顔で苦笑いする周助。



そして、



「仕方ないだろ。俺は千愛が好きだから」



隣ではキッパリとした口調で言い放った宝珠が綺麗に微笑んでいた。



今までわたしを拒絶していた人とは思えないセリフに表情。



それを見た二人は面食らったように目を丸くさせて、



「なんか……千愛を見守ってた立場としてはすごく複雑な心境なんだけど」


「右に同じくだな」



屋上いっぱいに響くような盛大な溜め息を漏らした。



そりゃそうだよね。



ずっと一方通行だった気持ちが、一晩明けたら通じ合ってるんだから……。


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