キミの手 キミの体温
涙の残るまぶたを薄く閉じて、ふわっと息の掠る唇を宝珠に緩く押し当てた。
少し渇いた柔らかい感触に前みたいな強引さは無く。
遠慮がちに触れたわたしの唇をただただ受け入れてるばかりだった。
わたしはこれから先も宝珠だけを好きで居る。
この気持ち、信じてくれるかな。
「……もう一つ約束して」
唇が離れる瞬間。
小さく開いた宝珠の唇から零れた言葉は、
「俺のこと、独りにしないって」
まるで宝珠の背負ってる孤独が全部そこに集約されてるみたいで。
今までのどんな拒絶の言葉よりわたしの胸を痛くさせた。