キミの手 キミの体温

「そんなの……約束しなくたってわたし、ずっと一緒に居るよ」



宝珠がわたしを必要としてくれたように、わたしにだって宝珠が必要なんだから。



だからわたしにも約束して欲しい。



もう独りで強がらないって。



「宝珠の中の辛い気持ち、わたしも一緒に持つから分けてね」



わたしはその為に傍に居るんだから。



黙ってわたしの言葉を聞いた後。



柔らかく笑った宝珠は昔と同じ、わたしの大好きな笑顔をしていた。




< 127 / 359 >

この作品をシェア

pagetop