キミの手 キミの体温
「なんか……ほっとけねんだよな」
「千愛?」
「それもあるけど舟瀬も」
俺の口から出された舟瀬の名前に水希が訝った顔でこっちを見る。
まぁ、そんな顔にもなるわな。
好きだった奴の好きな奴なワケだし。
最初は千愛に泣いて欲しくないからって舟瀬に声かけたけど。
そうしてるうちになんか、あの卒無い顔した不器用人間が気になって……。
自分でもおかしいって思うけどなんかほっとけなくて声をかけたくなる。
「アンタって無自覚に面倒見良いから厄介ね」
呆れたような水希に苦笑いを返す。
面倒見良いとかそんな良いもんじゃねぇな。
多分、興味本位とかそんなだと思う。