キミの手 キミの体温

仕方ないからワンワン泣いてるそいつを引っ張って近くの公園まで移動させる。



その途中、



「後は任せた」


「はっ? 水希おまえっ」

「なんかわかんないけどアンタが泣かせたんでしょ。わたし弟たち迎えに行く時間なのよっ」



彼女の手を引いてた俺を呼び、コソコソとこう耳打ちした後、



「とにかく後はよろしく」



いつの間にか買ったのか、ご丁寧にペットボトルの水まで渡して来やがった。



……ホント要領悪いな、俺。



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