キミの手 キミの体温
進み始めた時間
宝珠と想いが通じ合って以来。
宝珠が作り笑いとか冷たい瞳をすることはなくなっていった。
だからこうして昼休みには屋上で四人で一緒にお昼をしてるんだけど。
「千愛。はい」
「えっ、と……」
「はい、あーん」
「だから。あの……」
こう言ってにっこりと笑った宝珠は、隣に居るわたしに向かって卵焼きを差し出してくる。
もちろん正面には周助と水希が居て。
目のやり場に困ったように周助が目を逸らしたり、水希がわざとらしいくらいわたしの顔を見つめてたりする。
「気持ちは嬉しいんだけど……」
この状況はすごく食べづらいよ。