キミの手 キミの体温

「あぁ。周助にも」


「えっ?」



恥ずかしがるわたしとは正反対に、涼しい顔のままの宝珠がこう言って周助に差し出したのは、


「……なんだよコレ」


可愛らしい袋に入った美味しそうなカップケーキだった。



差し出されるままに受け取った周助の訝った顔に、


「手作り」


「えっ!?」



さらりと答えた宝珠の声で、わたしたち三人は思わず言葉を失った。



まさか宝珠が……。



驚いて目を見開いたわたしたちに、


「心配しなくても俺じゃない。白奈が周ちゃんに渡せって」


「周ちゃんっ!?」



淡々と答えた宝珠に思わずわたしと水希が同じタイミングで周助を見た。



周助ってばいつの間に白奈ちゃんと仲良くなったんだろ。


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