キミの手 キミの体温
白奈ちゃん手作りのカップケーキに周助は、少しばつが悪そうな顔をして宝珠の方に目を向けた。
周助のこんな顔、見るの珍しいかも。
同じことを思ったのか。
隣の水希も冷やかすみたいに笑ってる。
「周ちゃんだって」
「懐かれてるみたいだな。勉強も見て欲しいって頼んでくれって言われた」
宝珠が続けた言葉にニヤつく水希をでこピンして、また大きな溜め息をつく周助。
そのままくしゃっと赤茶の前髪を無造作に掻き上げた。
「他人の勉強見てやれる程頭ねぇし、俺」
「確かに。寧ろ周助が教えて貰うべきかもね」
「中3が高2に教えられるワケないだろ」
「えっ! 白奈ちゃんって中学生なの」
思わず声をあげたわたしに、周助と水希も同じように目をまるくしてた。