キミの手 キミの体温
……どうしよう。
コピー機の前にしゃがみ込んでうなだれてるうちに時間はどんどんと過ぎていく。
宝珠に先に帰ってってメールしようかな。
せっかく一緒に帰れると思ったのに……。
がっくりとうなだれたまま制服のポケットを探ろうとした時。
「用紙が詰まってるんですよ、多分」
「えっ」
背後から掛けられた声で思わずその場に立ち上がる。
慌てて振り向いた先には、
「よく詰まるんですよ。このコピー機」
こう言って小さく微笑む男の子が立っていて、そのまま慣れた手つきでカバーを外していく。
「すぐ直りますよ」
しゃがんだままわたしを見上げた彼はまた、綺麗な笑顔で笑ってみせた。
……なんだろ。
この笑顔、誰かに似てる気がする。