キミの手 キミの体温

「ごめん、ヤキモチ」


「もうっ……」


唇を離した宝珠はわたしと目を合わせてから、ふっと表情を柔らかくさせた。


それは唇が触れる前の切なげな瞳とは違う。


なんだか温かくて優しい眼差しで……昔の宝珠と同じだ。



「ほら、帰ろう」


「うんっ」



わたしの手を引いてくれる手のひらは、あの頃よりずっと大きくなったけど。


温もりは昔の大好きな宝珠と一緒のままだった。





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