キミの手 キミの体温
「……で? なんで家?」
「だってあたし、外じゃ勉強に集中出来ないもん」
若干はしゃぎ気味の母さんと浮かれ気味の父さんと弟を押しのけて自分の部屋に白奈を通した。
部屋に入るや否や、
「男っぽい部屋」
脱ぎっぱなしの服やら読みっぱなしの雑誌で散らかった部屋を見渡して一言。
来客の準備なんかしてない部屋なんてこんなもんだっての。
言う代わりに溜め息をついた俺を無視して、白奈はテーブルに勉強道具を広げ始めていた。
そして、
「周助はそっちに座るの」
ぼんやり立ってた俺に向かいに座れと顎をしゃくってみせた。
マジに勉強する白奈を見させられるんだな、俺。