キミの手 キミの体温
「白奈の勉強見てくれるんだって」
「……ウチの高校に通いたいらしいな。一年間だけでも宝珠と同じ高校に通いたいって」
柵にもたれ、くわえタバコのまんま答えた俺に舟瀬は一瞬だけ目を丸くした。
それを横目に窺った俺と目が合うなり、
「拗ねてるだけだ」
「はぁ?」
「どうせおまえが素っ気ないから俺の名前出したんだ。ホントは俺じゃなくておまえが居るからだよ」
クスッと小さく笑った舟瀬がこう言って柵に背中を預けた。
それを目で追いながら、俺は舟瀬の言葉の真意を探るように表情を窺い見る。
つーか、なんで俺なんだよ……。