キミの手 キミの体温
「似てるからな……白奈と俺」
「顔か?」
「バカ。……環境が、だ」
呆れたように笑った舟瀬が俺を一瞥してそのまま上空を仰いだ。
コイツの顔、柔らかくなったよな。
……やっぱり千愛と通じ合ったから。
なんて自ら古傷をえぐる俺に、
「白奈は居場所を欲しがってるから、俺と一緒で」
「居場所?」
「離婚して仕事で成功した母親との生活が寂しくなって……父親を訪ねたら新しい家族が出来てたって」
だから白奈は居場所を探して家出をした。
付け加えた舟瀬が今度は窺い見るように俺の目をじっと見つめていた。
そんな顔されたってな……。
俺はどうすればいいんだよ。