キミの手 キミの体温

それに。
白奈が求めてる居場所ってヤツは舟瀬だろ。


だから白奈はウチの高校を選んだ。
舟瀬が居るから。


「俺は白奈の居場所じゃないよ。写し鏡だから」


「なんだよそれ」


「似た者同士ってことだよ。共感は出来ても支えにはなんないからな、お互い」


「……ふぅん」



とりあえずは納得した風に頷いてみせる。


よくはわかんねぇけど。
つまりは、舟瀬も白奈もそれぞれに寂しいモンを抱えてて……。


誰か傍に居てくれるヤツが必要だってことか。


……で。


「……おまえの居場所は千愛っつーことか」


「そうだな。うん、そうだ」



一瞬戸惑ったみたいな顔で俺を見つめ返して、満ち足りたような柔らかい顔で頷いてみせる……2回も。


嫌がらせかっての。


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