キミの手 キミの体温

わたしたちがこんな毎回恒例のやり取りをやっていた時。


「話終わったの周ちゃん?」


一足遅れて屋上にやってきた周助にまた、水希が冷やかし笑いで声を掛けてる。


図星だったのか周助はわざとそれを無視して定位置の場所に腰を下ろした。



「この間。おまえの家で夕飯ご馳走になったのが嬉しかったみたいだぞ」


「えっ! 家にまで呼んでんのアンタ」


「うるせぇな。押しかけて来たみたいなもんだって」



水希の冷やかしにサラッとした笑顔で便乗した宝珠って結構タチが悪い……。


おかげで最近の周助はすっかり二人にいじられてて可哀相になる。

大体は白奈ちゃん絡みなんだけどね。


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