キミの手 キミの体温

でも。
すっかり慣れっこになってしまった周助の子ども扱いが、鬱いでた気持ちをちょっとだけ軽くしてくれた。


「……なぁ」


「うん？」


「……何かあったのか？」


「えっ……」




さっきまで悪戯っ子みたいに笑ってた周助の顔が急に真顔になって、思わず目を丸くしてしまった。



いつもはわたしをからかってばっかりなのに……。


たまに周助はこうして鋭いことを言い当てて、その度にわたしをドキッとさせる。





……今みたいな真剣な眼差しをして。




そんな顔、狡いよ周助。




宝珠のことが思わず口から零れそうになって、



「……ないよ？」



斜め上の周助を見上げて、にっと笑って誤魔化した。



わたし、ちゃんと自然に笑えてるよね？