キミの手 キミの体温
ただ……。
それを決めるのは白奈自身で。
切り出した俺の目に映った白奈の表情はひどく動揺していた。
「嫌なら断るよ」
戻れることにこしたことはないけど、白奈が望まなければ意味は無い。
黙り込んでしまった白奈に俺はじっと答えを待った。
……白奈は積もった母親への不信感と葛藤してるんだ。
「……周助のお家に行った時」
「えっ?」
「一緒にキッチンでご飯作ったの、周助のお母さんと」
沈黙の後にとつとつと話し始めたのは、この間の周助の家での話。
余程楽しかったのか。
あの日は帰って来るなり俺に話してたからな。