キミの手 キミの体温
「どうだろう。おまえの母親とアイツの母親は違う人間だからな」
白奈の言葉に賛同して、安っぽい安心感を与えるのは簡単だけどそれじゃ意味が無い。
でも、
「白奈の母親がおまえに会いたいって言ったのは事実だ」
その言葉に偽りが無いことだけは伝えとく。
そこに何があるかは別としても……。
結局。
しばらく悩んだ挙げ句、頷いた白奈に待ち合わせ場所と時間を伝えたんだけど。
その顔はまだどこか落ち着かなげだった。
……だから。
今の白奈が一番慕ってる人間に接触があるかなって踏んだワケだ。