キミの手 キミの体温
宝珠の指先がブラウスのボタンを解いた瞬間だった。
「……宝、珠?」
ピタリと動きの止まった宝珠はわたしを見つめたまま小さく顔をしかめる。
手を伸ばして宝珠の長い指を掴めば、さっきよりずっと冷たかった。
……どうしたんだろ。
急に顔色が悪くなってる。
「…………っ」
「宝珠っ?」
「ごめん。急に気分悪くなった」
わたしから体を離した宝珠はポツリと呟いて苦笑いを浮かべた。
あんなに熱のこもってた瞳はわたしを避けるように伏せられ。
ぎこちない指先でブラウスのボタンを留めようとしていた。
まるで……体が繋がることを怖がってるみたい。