キミの手 キミの体温

不安そうに揺れた瞳のまま宝珠は躊躇いがちにこくりと頷いてみせた。



“俺には千愛が必要だから”



宝珠が言ってくれた言葉に応えたい。

宝珠にはわたしが大好きだった笑顔で傍に居て欲しい……。



宝珠が好き。

だから、支えになりたい。



泣き虫だったわたしをいつも慰めてくれたみたいに。


わたしだって宝珠の力になりたい。



でも、宝珠の苦しみを分かち合えない自分が不甲斐ない。


だって宝珠はわたしに何も話してはくれないから……。



いつか宝珠はわたしに……自分の苦しみを分けてくれるのかな。



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