キミの手 キミの体温
俺が貸したシャツは小さな体にはダブダブで。
弛んだ袖で目を擦りながら体を起こした千愛は、
「……起きてたの?」
ベッドに座ったままの俺の顔を窺うように上目に見上げている。
「千愛の寝顔が可愛いから」
「えっ?」
「寝るのがもったいないと思って」
にっこり笑って指先で掬った髪に唇を寄せた。
サラサラと流れる髪の先で千愛の照れて赤くなった顔があって思わず笑ってしまう。
自分からお泊りまで申し出といて今更赤くなるなよ。
そんなとこも可愛いけど。
堪らなくなってキスしたらもっと真っ赤になって。
「もうっ」
掛け布団の中にすっぽりと隠れてしまった。