キミの手 キミの体温
「良くないよっ」
「いいのいいの。その時は痺れが無くなるまで千愛に撫でて貰うから」
「そんなことしてたら学校に遅刻しちゃうよっ」
「あっ、それいい」
「ダメってばっ。もう……」
寝転んだ俺の隣で肘をついた千愛が唇を尖らせてこちらを睨む。
照れたり怒ったりさっきからコロコロと変わる表情。
泣いた顔も怒った顔も全部好きだけど、
「千愛」
「っ……」
腕を引いてもう一度唇を寄せたらびっくりした顔になって、
「おやすみのキス。起きたらおはようのキスもするから」
囁いた俺が笑い掛ければ、
「……じゃあ朝ごはんは一緒に作ろう。絶対に約束っ」
嬉しそうに笑い返してくれる……千愛の笑顔がやっぱり一番好きだ。