キミの手 キミの体温
「ねぇ、いつから知ってたの?」
そんな癖があるなら早めに教えて欲しかったよ……。
そうやって文句の一つでも言おうかなって思ってたわたしに、
「……去年。千愛と付き合ってた時」
呟いた周助の言葉で、自分の顔から表情が消えていくのが鮮明にわかる。
そんなわたしを見つめる周助の瞳は、ただ真っ直ぐとわたしだけを映し出していた。
「……周助」
言おうとしていた言葉も全部頭の中から消えて、
胸の奥が忘れかけてた罪悪感できゅーっと締め付けられていった。
“友達に戻ろう”
そう周助に告げたわたしは、どんな顔をしていたんだろう……。
視線はじっと、周助の瞳を見つめていたはずだ……きっと。