キミの手 キミの体温

「もう……今度は絶対に一緒に作るからね? 絶対に絶対!」



朝食の並んだ食卓にマーマレードの紅茶を運んだ千愛がくるりと振り返る。



念を押すように俺に向かって突き立てたのは小指じゃなくて人差し指。



約束じゃなくて命令って感じだな。



まぁ、約束破ったのは俺だから仕方ないか。



でも。



「じゃあ……また来てくれるんだ?」


「えっ?」


「お泊り」



こう言って指摘したら千愛は多分照れてまた拗ねる。



なんて俺の予想を、



「うんっ。だって宝珠と一緒に居たいから」


「…………」



千愛は呆気なく覆してしまった。


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