キミの手 キミの体温

……しまった。
この時の為に電源入れたまんまにしてたのに。



つい不機嫌なまま電話に出てしまった自分の不注意さに呆れてしまう。



しかし、



「悪いっ。寝起きでつい……」


「…………」


「なぁ、ごめんって」


「…………」


「……白奈?」



いくら許しを乞えど電話の向こうの白奈は、俺の名前を呼んだきりうんともすんとも言わない。



……そんなに怒らせたのか?


いくら俺だって寝起きには無防備になったりするっての。



なんて頭ん中では悪態をつきつつもやっぱり白奈の沈黙が気になるのが実際。



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