キミの手 キミの体温
ひんやりとした冬の朝の空気が布団で温もった体から一気に熱を剥ぎ取る。
その凛とした空気に息を弾ませながら階段を降りていけば、
「っ!」
「……周助」
エントランスの隅にしゃがみ込んで小さく丸くなった白奈が居て。
体はびっくり反応してんのに、頭の中ではやっぱりって納得してた。
「何時から居てんだよ」
「…………」
いくらエントランスに壁があっても空気は冷たいし寒い。
そんなところで携帯握り締めてしゃがみ込んでる白奈に、呆れた顔をしながら歩み寄っていく。
さっきまで嫌がらせの電話掛けてたヤツとは思えねぇようなしおらしい態度だ。