キミの手 キミの体温
「なんでこんな朝っぱらから」
「……だって」
「はっ?」
「周助に会いたかった」
立ち上がらせようと差し出した手をすり抜け、素早く立ち上がった白奈がそのまま俺の体に飛び付いた。
背中に回った白奈の細く長い手や華奢な体が冷えてるのが着ていたジャージ越しに伝わってくる。
「……何かあったのか?」
「…………」
俺の胸元に顔を埋めたまま白奈からいくら待っても答えは返ってこなかった。
ただじっと縋り付くみたいにくっついてる。
昨日の電話は多分こうやって自分が現れる為の布石。
白奈は端からここに来る気だったんだと思う。