キミの手 キミの体温
母さんは心配そうに閉まった部屋のドアを見つめてから、
「ホットミルク淹れてくるわ」
これだけ呟いてキッチンの方へと行ってしまった。
それからホットミルクの入った薄い水色のマグカップをベッドの縁に座る白奈に渡し、
「朝ごはん食べて行きなさいね」
笑顔で言い残してからちらっと俺の顔に視線を移した。
「舟瀬に電話入れて来るから」
湯気の立つマグカップを握り締めた白奈に告げてから母さんに続いて部屋を出た。