キミの手 キミの体温

ドアが閉まったと同時にもう一度振り返った母さんは、


「何があったのか知らないけど……ちゃんと支えてあげんのよ。大切な彼女なんだから」



何も聞かない代わりにこう言ってポンと俺の肩を叩いた。



去り際に見せたニカッとした笑顔に思わずツッコミそうになる。



……だから、彼女じゃねぇって。



この状況で言っても説得力なんて微塵も無いから言わんけど。


かと言って彼女じゃないからって今更放っとけないしな。



とりあえず舟瀬に電話を掛けて白奈がウチに居るってことを伝えとく。


コール1回目で即電話を取った舟瀬は、



「白奈行ってるのか?」



まるで待ち構えていたかのように第一声でこう言った。


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