キミの手 キミの体温

side宝珠


「じゃあ、学校で待ってるね」


千愛に事情を説明して学校の手前の別れ道で分かれた。



俺が向かったのは周助の家のマンション。



……せっかく一緒に学校まで行けると思ってたけど。


白奈を周助に押し付けっぱなしにするわけにはいかない。



メールで送られて来た住所に差し掛かったところで、


「よっ」


入り口からパッと手を挙げた周助を見つけて駆け寄っていった。



その表情がいつも通りでちょっと安心する。


朝っぱらから巻き添え食らって小言の一つ二つ言われても仕方ないかと思ってたんだけど……。


面倒見が良いんだろうけどやっぱり要領は悪いよな。


こうやって貧乏くじばっか引かされてる。



< 218 / 359 >

この作品をシェア

pagetop