キミの手 キミの体温

そんな俺の反応は予想外だったのか。


立ち止まった俺を半歩先で振り返った周助は、



「電話した時に思ってたんだけどな。なんか声に覇気がねぇ感じしたし」



こう言ってふっと小さく笑いかけてきた。




こういう勘は良いんだなコイツって。
だからこそ貧乏くじばっか引いてしまうんだろうけど……。


で、面倒見が良いもんだからこっち側は甘えが出る。



千愛が別れても友達で居続けたのも、白奈が懐いたのも……。



だから、



「白奈の母親、再婚するらしいんだ」


「……再婚って、それで白奈が邪魔になるとか言ってんの?」


「逆だよ。再婚して仕事辞めて白奈との時間作るって」



つい心に浮かんだ膿を吐き出したくなる。


不思議と周助の顔を見たらそんな気持ちにさせられてしまう。

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