キミの手 キミの体温

手向けた花束を見つめながら頭の中はずっと苦しみが巡っていた。


その時。
ポケットの内側で携帯が震えてるのに気付いた。



素早く開いた画面に映し出されたのは、



『白奈ちゃん大丈夫だった? 学校に着いたら教えてね。早く宝珠に会いたいよ』



千愛からのメールだった。



連絡もせず、学校にも現れない俺に痺れを切らしたのか。
はたまた心配してくれてるのか。



早く会いたいの言葉に心が突き動かされる。



そして不意に、



“代わる愛情があればちゃんと刻まれる”




周助に言われた言葉が頭を過ぎった。



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