キミの手 キミの体温
宝珠のことを気にしないでいようとする程、心の中が空回ってダメ。
チラリと隣の周助を窺うと、
「やっぱりなんかあるんだろ?」
「…………」
困ったように眉根を寄せた周助がため息を吐いて、もう一度わたしの顔を覗いてきた。
「言ってみ?」
小さく浮かんだ周助の笑みが、落ち込んでる気持ちを包んでくれる。
やっぱり周助は狡いよ……。
わたしの心の弱いところが、微笑んだ周助に助けてって疼いてる。
「……宝珠」
「えっ? 宝珠って……舟瀬か?」
「幼なじみなんだ」
ポツリと呟いた声を聞くなり、周助は少し驚いたように目を見開いてた。