キミの手 キミの体温
駄目だなぁ、わたし。
たった一日宝珠が学校に居ないだけで、溜め息ばっかりついてるなんて。
「今日は舟瀬くんの代わりにわたしが付き合うから。さっさと先生の野暮用済ましといで」
「うん。ありがとう水希」
こう言って手を振る水希に見送られながら向かったのは印刷室。
わたしの心情なんて知る由もなく、例によって担任から仕事を押し付けられた。
スタートボタンを押すとコピー機は一定のリズムで紙を印刷していく。
その前で携帯を取り出して開いてみるけど、やっぱり宝珠からの返信も着信もナシ。
おかげで今日はいつも以上に授業が上の空だった。