キミの手 キミの体温
「また頼まれたんですか?」
「うん。相変わらず人使い荒くて」
そう言いながらゆっくりと歩み寄って来た葦原くんは、
「あっ。コピー機使う? だったら先に……」
「いえ。僕は別の用事です」
わたしの隣に立つとまた、にっこりと笑みを浮かべてみせた。
その笑顔に見つめられると何故か怖くなってしまう。
綺麗な顔立ちだけど……瞳がなんだか冷たくて。
前にも思った通り。
再会した頃の宝珠にどことなく似てる気がしたから。