キミの手 キミの体温
“憎い”
そう呟いた顔は何かを堪えるように苦痛に歪んでいて。
もし……彼がホントに舟瀬くんの弟なら。
家族に向かってそんな感情持ったらダメって言いたいのに。
「なんのつもり……ですか」
「友達が傷付けられたのは許せないけど……痛そうだから、キミの顔」
項垂れて低くなったくしゃくしゃの前髪に触れたくなってしまう。
自分が傷付けた癖に傷付いた顔。
なんでそんな顔をするのって思わず尋ねたくなってしまう。