キミの手 キミの体温

廊下の先に人影はない。


とりあえず教室に行ってみようって頭では考えてるのに、目線が自然とコピー機の方を向く。



「…………」



やりっ放しになったコピーの束を手に取り、電源を落とす背中が脳裏に焼き付いた。



それがちゃんと担任の手元に届けられたことを知ったのは、一人取り残された千愛を見つけた少し後のことだった。



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