キミの手 キミの体温
「なぁ。変わってしまったっていうなら、それには多分理由ってのがあるんじゃねぇの?」
「変わった……理由」
「それ聞いてからでも遅くなくねぇか? 落ち込むの」
そうだ……。
わたし、何にも宝珠に聞いてない。
聞いてないのに勝手に落ち込んで……。
にっと歯を見せた周助を驚いたみたく見つめた後、
「そうだよね! ちゃんと聞いてみるよっ」
顔中で笑って、大きく頷いてみせた。
「ホント、おまえって一年経っても頼り無いまんまだなー」
その調子じゃ、十年前もあんま変わってねんだろな。
笑って続ける周助にチクリと胸が痛んだ。