キミの手 キミの体温
きっと察しの良い周助はわかってしまったはず。
一年前。
周助に別れを持ちかけた理由が……。
「もぅ……意地悪言わないでよ」
宝珠を想ってる癖に、周助の優しさに甘えた狡く汚い一年前のわたしの気持ち。
こんな風に冗談みたいに流してくれる周助の優しさに、わたしは何度も漬け込んでるんだ。
……今みたいに。
「周助……」
ごめんなさい、なんかで済まされるのかな。
そう思ったら不安になって、言い淀んでしまったわたしに、
「……良いんだよ。おまえはそれで」
「えっ……」
「一年経っても十年経っても変わんなくて良い。……変わんない顔でボケボケ笑ってろってこと」
いつもの悪戯っぽい笑みで、周助がコツンとおでこを弾いた。