キミの手 キミの体温

柔らかい感触に頭の中がボケボケになって動きが鈍る。



えらく上からな告白だなぁ、とか。
また責任か、とか。


言ってやりたいことが次々と浮かぶ中で。



間近で俺を見つめる白奈の顔を見たら、



「……取り、ます」



文句より先にこう言った俺は……思ってたよりずっと白奈が好きなんだと改めて思った。



でも。
言ったら絶対に調子に乗るからしばらくは黙っておこう……。



チラリと窺い見た先では、俺の答えを聞いた白奈が嬉しそうに小さくはにかんでいた。



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