キミの手 キミの体温
寂しくても我慢する。
彼の可能性の邪魔はしない。
受験が終わればもっと一緒に居られるはずだから……。
そう思って、毎日進学塾に通う彼にわたしは距離を取った。
それが彼の為だと思って傍から離れたはずだったのに……。
実際の彼は周りからの期待はひどく重たく感じていたらしく。
加えて。
良かれと思って距離を取る彼女のわたしにも戸惑いを感じていた。
それを同じ進学塾に通っていたわたしの友達に打ち明けるうちに……関係を持ってしまう。
そこに運悪く。
彼に会いたくて差し入れを持って行ったわたしが出会してしまったんだ。