キミの手 キミの体温

瑠璃の優しさ。

自分の不甲斐なさ。



涙が涸れるまで。
ただ瑠璃に愛してるとひたすらに伝え続けた。



そして最後に一つだけ。

今までどんなプレゼントも欲しがらなかった瑠璃が最初で最後に望んだモノ。



「宰の子どもが欲しい」



絶対に迷惑をかけない。



そう付け加えた強い眼差しは今でも鮮明に頭に甦る。



そして。
瑠璃が妊娠してから程なくして私は正式な後継者となり、決められた相手である優美との婚姻を結んだ。



これからは優美と……後に生まれる子どもをしっかり愛していこう。



瑠璃を守り抜けなかった分まで守ろうと心に決めていた。




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