キミの手 キミの体温

優美や優雅には申し訳ないと思いながらも。



瑠璃や宝珠が幸せでなければ私だって幸せになれない。
そしたら優美や優雅だって幸せにしてやれない。



そう思って。
瑠璃や宝珠の存在を忘れてはいけないと、ずっと心の片隅に置き続けていた。



そして瑠璃と別れてから10年後。


最悪の悲劇が起こってしまった。



恵璃に頼んで呼び出してもらった瑠璃が、待ち合わせ場所に来る途中に事故で亡くなってしまったのだ。



いつもはおとなしく言うことを聞いていた宝珠が瑠璃の傍を離れたがらなかったらしく。
道路に飛び出した宝珠を瑠璃が庇ったという……。
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