キミの手 キミの体温
私が絶望に打ちひしがれるなんてお門違いも良いところだ。
宝珠の瞳の輝きを奪ってしまったのは他でもない……私自身なのだから。
宝珠だけじゃない。
衰弱していく母親の傍らで私を見つめていた優雅の瞳も今ではすっかり雲ってしまっている。
私は何度償えば瑠璃や優美に許されるのだろうか。
いや。
許されるなんて思っていない。
許されなくてもいい。
ただ。
愛した人の忘れ形見であり、愛する息子たちである二人には幸せな人生を送って欲しい。
父親として強く願い続けようと、私はただ胸に堅く心に誓うのだった。