キミの手 キミの体温

だからって大切な人が傷付けられた怒りは消えない。


そして怒り任せにまた誰かを傷付けて……。


そんな繰り返しは辛すぎる。



わたしは自分や大切な人が受けた傷を痛みで返したくない。



「約束したんです。ずっと一緒に居るって……だから傍に居たい」


「宝珠自身が憎む宝珠の過去も全て含めて受け入れるのかい?」


「その為にわたしは傍に居るんです。宝珠が憎む過去を受け入れて一緒に担う為に」



そうすれば消えない傷でも、痛みから救うことは出来るかもしれないから。



だからわたしは宝珠の笑顔を諦めない。


そして必ずまた……屋上でみんなでお弁当を食べてた幸せな日常を取り戻してみせる。



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