キミの手 キミの体温

「お互い唯一の家族なんです。わかりあえる日だってくるかもしれない……諦めないでください」



宝珠が二人と笑ってる未来がわたしも見たいから。

きっと見られるって信じてる。



涙声で訴えるわたしの手にそっと体温が重なった。


微かに震えたその手が一度だけギュッとわたしの手を握り締める。



「……ありがとう。キミには宝珠だけじゃなく私も救われたよ」



喉が詰まったようなか細い声。


視線の合った葦原さんは今までで一番穏やかな笑みを浮かべていた。



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