キミの手 キミの体温

「スポーツも出来て頭も良い……。女の子たちが黙ってるワケないよね」


呆れたようにキャッキャと騒ぐ女の子たちを一瞥し、水希が手元のバレーボールをいじくってる。



宝珠がクラスメートになって一週間。



心配されてた授業にも遅れず、すんなりと入ってきてる。


担任から聞いた話では、編入の時に行ったテストはかなりの点数だったみたい……。


オマケに、眉目秀麗だ。



「なんか期待を裏切らないっていうか……絵に描いたみたいに良く出来た理想の転入生だね。まるで」


王子様だね。



付け加えた水希の声に頭で納得して、心が矛盾を訴えてる。

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