キミの手 キミの体温
いつの間にか窓から入る明かりが、夕日から月光に変わっていた。
少し埃っぽい床の上でただ千愛の体温だけを肌で感じている。
「寒い?」
「……全然っ。宝珠の体温かいもん」
胸元から見上げる千愛がはにかむから。
温もりを感じてるのが俺だけじゃないってわかって、ますます腕の中の千愛が愛おしく感じた。
繋がり合った体中に愛が行き渡る……罵りと憎しみが無いセックスは初めてだ。
愛することも愛されることも臆病になってた心が解ける。
痛みと苦しみだけしか知らない体が千愛で埋め尽くされていた。