キミの手 キミの体温

あの夜からすぐ。
葦原さんの呼びかけで宝珠は優雅くんと三人で暮らし始めていた。



最初はただのぎこちない同居人だったけど。



葦原さんは心を閉ざした宝珠と優雅くんに辛抱強く心を込めて接し続けて……。



優雅くんは優雅くんで、水希が力添えをして宝珠とわたしに謝罪をくれた。



「彼さ色々あって歪んでるけど……これからはわたしがちゃんと叩き直すから」



頭を下げる優雅くんの隣で真剣な顔で言い放った水希に、思わずわたしたちは吹き出してしまった……。


ポカンとする優雅くんと水希に宝珠が笑いながら、


「……弟をよろしく」


こう言った時には思わず水希と一緒にわたしは泣いてしまった。



二人のわだかまりが少しずつ解けはじめた瞬間だ。

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